ダイビングをすると酔う?
ダイビング中に気持ち悪くなる人がいらっしゃいます。
せっかく楽しみにしていたダイビングなのに、気分が悪くなってしまっては楽しめませんよね。
予防できるならばしっかりとしておきたい。
けれど、原因が何かを理解していなければ予防するのも難しいです。
ダイビングを行う状況やタイミングにもよって変わりますが、原因とされているのは大きく4つあります。
船酔い
波酔い
エアを飲んでしまった
ドライスーツのサイズが合っていない
ダイビングだけでなく、車や飛行機、電車などでも「酔う」ことはあります。
その原因は、「バランス感覚の乱れ」「視覚と嗅覚への刺激」「自律神経の乱れ」で起きてしまうと言われています。
今回は
ダイビング中に気分が悪くなった時の原因や対処法についてご紹介したいと思います。
バランス感覚や自律神経の乱れで起きる「酔い」
体のバランス感覚、つまり平衡感覚は
内耳器官(三半規管や耳石器)で調整されています。
激しく揺れている状況がその人の限界を超えてしまい、異常な刺激として脳へ伝達されることで自律神経の働きが乱れてしまい「めまい」「吐き気」などの症状を引き起こしてしまいます。
車を運転している時は酔わないけれど、人が運転している車に乗ると酔ってしまう人がいらっしゃいます。
運転している時は、自分がハンドルを握っているので「この先の車の動き」「道の曲がり具合」などを把握できます。
けれど、同乗している場合は運転をしている人に任せている状況です。
自分の脳内の予測と実際の車の動きにズレができてしまうことで自律神経の働きが乱れてしまい人の運転だと酔ってしまう。
酔う日と酔わない日がある人は、睡眠不足や体調不良、過去の経験(トラウマ)などが大きく影響されているようです。
その原因は、情報を処理できる脳の限界が体調によって異なるからと言われています。
視覚と嗅覚への刺激から起きる「酔い」
トリックアートのイラストや3D映像を見ていたり、トリックハウスなどで起きる目の錯覚から気持ち悪くなったという経験談を聞くことはありませんか。
建物から海や川の水面が揺れているのを見ていて気分が悪くなったり、車窓から通り過ぎる景色を見ていて気分が悪くなった…という人もいらっしゃいます。
これは目で見ている情報と、身体で感じる情報にズレが生じて「酔い」を起こしている状況となります。
その他にも、排気ガスや自分が不快に感じる臭いの刺激も「酔い」を起こす原因と言われているんです。
揺れている船を見ているだけで気分が悪くなってしまうという方もいますが、「自分は酔うんだ」という思い込みのせいという可能性も少なくありません。
気持ちが昂って「酔いやすいことを忘れていたら酔わなかった」という体験談もありますので、視覚の刺激から起こる酔いは動かない景色を見たり、他の事を考えることで意識を分散させるのも予防の一つと言えるでしょう。
前日にできる予防策
船酔いがとても辛いのは言うまでもありません。
改善するまでに時間もかかりますし、できれば予防はしっかりとしておきたいところ。
前日に注意しておきたい注意点は、「十分な睡眠」「アルコールの摂取量」「消化の良い食事」です。
旅行中や楽しみにしていたアウトドアを行う時はテンションが高くなってしまいます。
はしゃぎ過ぎてしまったり、勢いでたくさん飲んでしまったり…
そのせいで睡眠時間が短くなってしまったなんてお話もよく耳にします。
翌日にボートダイビングを予定している場合は、グッと堪えて程々に楽しむことが翌日のダイビングも楽しむことにつながります。
船酔いした時の対処法
予防はしっかりしたけれど、船酔いしてしまった…
そんな時に行う対処法は、「風通しの良い場所に移動」「水分補給する」「圧迫する衣類を脱ぐ」。
インストラクターに伝えることで、様々な対処法を教えてくれるとは思いますが、自分で知っておくことも大事です。
トイレなどにこもるより風通しの良い場所で、船の進行方向に頭を向けて、横になった姿勢で深呼吸をおこない、水やお茶、清涼飲料水を口に含むことで楽になると言われています。
ダイビング中の波酔い
水中で酔ってしまう大きな原因は「うねり」です。
岩場などから海藻が揺れているのを見ている時や、千切れてしまった海藻が水中を漂っているのを目で追いかけてしまった時に起こることが多いようです。
危ないと思ったら、海藻から目を逸らしたり、可能ならば中層に浮いて酔うのを避けましょう。
うねりがある時に波酔いしてしまった場合は、岩につかまってしまうと揺れを身体で感じてしまうので避けた方が良いでしょう。
うねりに身を任せる方が安全です。
ドライスーツを着たことで酔ってしまった
サイズがあっていないドライスーツはもちろん、自分のサイズに合わせたドライスーツでも最初は酔ってしまうことはあります。
シールをする為に実寸よりも細く作られているので、苦しく感じやすいことも原因と言われています。
数回ドライスーツで潜っていたら、慣れて酔わなくなったという意見も多いことから、回数を重ねるごとに平気になっていくようですね。
その他にも、陸では苦しく感じたけれど、水中に入ると楽になるという意見もありました。
便利グッズ「らくらくリング」などを活用するのも予防策の1つです。
ダイビングショップによっては用意してくれている場合もありますので、尋ねてみると良いでしょう。
エアを飲んで気分が悪くなった
水中から浮上する際や、浮上の直後に気分が悪くなってしまった場合の原因の多くは、空気を飲んでしまったから。
唾液を飲み込むことで耳抜きをしているダイバー に多いと言われています。
深い所で飲み込んだ空気が、深度が浅くになるにつれて胃の中で膨らしまい気持ち悪くなってしまうのです。
浮上している時、深度が浅くなり始めた時にゲップをすることで回避できます。
水中から出る前に「空気を出してしまえば問題ない」ということですね。
薬や便利グッズを活用しよう
乗り物酔いは、薬を飲めば大丈夫!という印象がありますが、ダイビング中に使用する薬は慎重に選ぶことが大切です。
ダイビングショップ で準備してくれている可能性もありますが、予めショップやインストラクター、医師に相談しておくのが良いでしょう。
絶対に使用してはいけない酔い止めも存在しますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
便利グッズでは、酔い止めバンドとして販売されている商品。
酔いにくくなる内関というツボを、効率よく指圧できるように作られたもので、バンド自体に伸縮性があるのでぴったりフィットしてくれます。
種類もたくさんあるので、購入前にインストラクターに相談してみると良いでしょう。
ダイビング中に気分が悪くなることを避けるためにできること。
この他にも器材の準備や、酔いにくい体づくりなど様々な方法が存在します。
まずは、原因となってしまった時の対策を覚えてから知識の幅を広げていきましょう。